2012年05月15日

ライカMモノクローム発表 (+アポズミクロン)

こちらの記事でも書きましたが、かねてよりうわさのあったライカのモノクロ専用機が先週発表され、日本でも発表会が行われたようです。
まずモノクロのデジタルカメラって何、という方には前に書いたこちらの記事を参照ください。
http://blog17gray.seesaa.net/article/110684559.html

モノクロ専用機としてのMライカはM9をベースにしていますが、M9Mという名称ではなくナンバーを排してしばらくはこのままでいくよう。まあこういうカメラもそうそう作るわけではないでしょうからね。Mモノクロームの開発コードネームは"Henri"だそうで、これはもちろんあのブレッソンのファーストネーム(フランス語読みのアンリ)ですね。
ライカMモノクロームのスペルはドイツ式でeのないMonochromとのこと。

モノクロライカは約$8000、当然カラーフィルターはなし、ローパスもなし、赤外線フィルターはあります。こちらライカ公式Mモノクロームのサイトです。
http://en.leica-camera.com/photography/m_system/m_monochrom/
モノクロライカは全面ブラックのストイックなデザインですが、背面液晶は普通のカラー液晶のようです。画竜点睛?ここは少なくともdcs760mみたいにゾーンスケールの露出表示がほしかったところ。
(あとで調べたところインカメラでセピアや冷黒調などカラー処理ができるようです)

こちらのページにモノクロライカのテスト画像があります。まさにクリーンで顕微鏡写真みたいに高精細です。
http://www.l-camera-forum.com/leica-news/2012/05/leica-m-monochrom-review/
こちらはモノクロライカ"Henri"のテストレポートです。中国旅行をベースにして実写例が豊富です。Henriの強みは高感度で8000-10000でもノイズはほぼないということのよう。画像は細かいというより滑らかですね。これがアーチファクトない特徴かもしれません。
http://www.slack.co.uk/slack/Monochrom.html

Mモノクロームのサンプル画像を見ていると、驚くほど細部がち密なのと同時に、とても滑らかですね。実際に高感度でISO8000-10000でもノイズはほぼないということです。
モノクロライカ"Henri"のカラーフィルタがない利点はまず光がカラーフィルタにブロックされないで届くのでセンサー感度が高く、ノイズが少ないという点が大きいようです。あとは各ピクセルをRGBに分割するデモザイク計算がないのでアーチファクト(計算ミスによるノイズ)がないということでしょう。これらの利点って本来フォビオンでも同じはずだけど、DP1や2使っててもシャープとは感じるけど、あまり滑らかとは感じないでむしろ硬めです。フォビオンでは高感度が弱点ということも関係しているでしょう。
そう言う意味ではカラーフィルタがなく光がたっぷり届く感度の高さを含めてやはりこのモノクロライカがカラーフィルタのないことの利点を初めて(dcs760mとかはまあ除いて)見せてくれたというのはありそうです。もちろんMモノクロームではカラーは撮れませんのでフォビオンの利点は残っていますので念のため。

問題点ももちろんあって、露出オーバーしてもどこかのチャンネルに情報が残ってるカラーと異なり、露出オーバーすると情報が完全に飛ぶので注意とあります。先のサイトでは露出が低めに出るとありますが、そのためでしょう。
感度が高いのは利点でもありますが、基本がISO320なので場合によってはNDフィルタが必要になるというのも問題の方にもカウントできるでしょう。またカラーからチャンネルミキサーでモノクロつくるのと違ってオレンジとか黄色の光学的なフィルターワークも必要ではあるかもしれません。
いずれにせよ面白い選択であることはまちがいないですね。

もう一つの注目点は標準レンズの代表ともいえるズミクロン50が大きく改良されてアポ・非球面ズミクロンとなったことです。アポズミクロンは後群フローティングエレメントでMレンズ史上最高性能とのこと。マクロでない50mmレンズでフローティングエレメントって珍しいですね。よくコスト度外視って宣伝文句に使うけど、さすがライカは半端なくやります。50mm F2.0というスペックのレンズにこんなのを出すところはライカならではです。
アポズミクロン50は50mmだけどテレ設計してますね。非球面35mmと似た後ろにパワーが来るタイプです。50mmとしては異例なほど後ろにパワー配置をシフトさせた光学設計なのでかなりコンパクトです。
http://en.leica-camera.com/photography/m_system/lenses/8884.html
テレ設計は望遠の設計のことではなく、光学中心を後ろにずらしてレンズを短くするもので、一眼広角のレトロ設計の逆です。レトロはミラーのためのバックフォーカスの確保のためで、テレはコンパクトにするためです。
posted by ささき at 23:33 | TrackBack(0) | ○ カメラ・レンズなど | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする