2011年09月05日

PENTAX Qレビュー

話題のPENTAX Qを買いました。最近は小型軽量のいわゆるミラーレス一眼が流行ってますが、Qはナノ一眼という触れ込みのさらに小さな「一眼」カメラです。ポイントはAPSサイズの大きなセンサーではなく、コンパクトデジカメで一般的な小サイズ1/2.3インチのセンサーを使ったことです。
簡単に言うとコンパクトデジカメながらレンズ交換ができると言うことですね。ただ実際には様々な工夫がなされていて、立派なカメラシステムになっています。

9446.jpg

実際に手に取ってみると軽い驚きがありますが、まさにミニチュアサイズでドールハウスの置き物のカメラと言う感じです。トイカメラという気もしますが、これが侮れない性能を持っています。
詳細についてはこちらのペンタックスのページをご覧ください。
http://www.pentax.jp/japan/products/q/

使用

ストラップは小型なのでリストストラップに変更しました。白いボディにブラウンのストラップがなかなか似合います。下の写真では01標準レンズにフードを装着しています。

IMG_2898.jpg      IMG_2900.jpg

コンパクトカメラだけどレンズを変える感覚が面白いと感じます。レンズが小さいので交換にはやや気を使いますね。
レスポンスは悪くなくて、街角スナップ写真を撮るのにもたつくと言うことはあまりないように思えます。
バッテリーは半日使ってRAW/JPG同時記録で100カット程度(枚数で200枚、2.5GB)撮って最後の一目盛りになったので、まじめに一日とるときはもう一個バッテリーがほしいところです。
エコ機能として10秒立つと液晶が暗くなるのがあるけど、露出が変わったかと勘違いするので切ってます。ゴミ落としもついてますが、なぜかデフォルトではオフになってます。この辺もバッテリーの持ちかなと思いますね。

デジタルフィルターの種類が多いのも特徴です。さまざまなエフェクトがかけられます。
JPGで撮っていてもまだバッファに残っているときはRAWに変換できるので、カスタムイメージで撮ってもう一度直したいときはすかさずRAW保存ボタンを押してあとでインカメラRAW現像でフィルター変えても良いですね。
機能が多いのを反映して説明書が厚いのも特徴ですが、例えばプログラムシフトとかプログラムラインって説明書にぽんと出てきても露出モードのある一眼レフに精通してる人でないとわかんないのではないかと思います。

画質

画質はローパスレスと高性能レンズの組み合わせもありかなり精細な画像を取り出せますが、ピクセルレベルではAPSよりは劣ります。ただ縮小するとあまり気にならなくなります。
まえにOlympus E-20も持ってたんですけど、全体に少し前のE-20とかCanon Pro1などの高性能小サイズセンサー機に似ていると思います。この辺を現代版にしてレンズ交換出来るようにしたと考えても良いかもしれません。

画像はRAW/JPG同時記録で撮りましたが、JPG品質がなかなか良いので今回はJPG画質でPENTAX Q作例を上げてみました。ノイズリダクションとリサイズと若干のレタッチをしています。
撮ってきたのはいつものことながら山手の洋館です。前回のKiss X4も同じところで撮っているのでそちらも参考までにどうぞ。(ちなみにKiss X4はAPSセンサーで1800万画素、使ったレンズは高性能単焦点です)

こちらは01標準レンズです。すばらしい描写力の標準レンズです。F1.9という明るさも魅力ですね。
モノクロはインカメラのJPG設定です。モノクロ以外のJPG設定は「ナチュラル」です。

0065.jpg F2.8 1/100      0019.jpg F2.8 1/25

0044.jpg F1.9 1/60      0046.jpg F1.9 1/60

レンズは他に03魚眼レンズも購入しました。
9455.jpg 

こちらが魚眼レンズでの写真です。ただ画質自体はやはり01標準よりも甘めです。絞りは固定でフォーカスもマニュアルになります。

0059.jpg F5.6 1/60      0052.jpg F5.6 1/60

0075.jpg F5.6 1/30

考察

私もほとんどの写真をフルサイズのEOS-1Ds2で撮ってて言うのもなんですが、ペンタックスQの利点は逆説的だけどセンサーが小さいことです。
まずこういうコンパクトなシステムにするには、ボディーだけではなくレンズをコンパクトにする必要があります。APSサイズのセンサーではそれに見合うイメージサークルを確保するためにどうしてもレンズが大きくなります。Qでレンズとボディーのバランスが良いのはレンズのイメージサークルが小さいからです。現行レンズはそれでも余裕持ってると言うことなので、APSセンサーに合わせてギリギリで設計するよりも、余裕持ってた方がレンズ設計的にも良いですね。

9458.jpg
左は「フルサイズ」の標準レンズ(EF50/1.4)で右がPENTAX Qの標準レンズです。

また被写界深度を深く取れるという点もあります。
ショウのイベント撮りや取材なんかは一眼レフを持ってくる人もいますが、私はあえて一眼レフでなくコンパクトデジカメのs95を持って行ってます。簡単に広く合うからです。屋内で露出を保つためには絞りは開け気味になります。そうすると被写界深度は狭くなって広くピントが合わなくなります。
これでバウンス出来るフラッシュが出れば非常に実用的なプレスカメラになると思います。

逆にセンサーが小さくて困ることは、被写界深度の問題でボケないと言うことと、センサーの性能低下です。
ボケコントロールという画像処理でボケを作るモードが用意されてますが、これはあんまりうまくいかないですね。今回の作例でも良いものは取れませんでした。ファームの進化に期待です。ただF1.9だとそれなりにはぼけます。

一般に小サイズCCDで画素数が上がるのを揶揄する向きもありますが、これは必ずしも悪いことではありません。根本的にデジタルであるからにはサンプリングを細分化することでオリジナルのデータに近づきます。実際Qはローパスレスなんですが、これはコスト的な問題もあるでしょうが、このサイズでこれくらい細かくなるとローパスがなくても偽解像が発生しにくくなると言うことがあります。400万画素でローパスが弱い初代1Dなんかは偽解像でまくりで格子模様がラーメンマークになったりしてました。

またよく言われるダイナミックレンジですが、これも劇的に下がるわけではありません。なぜかというとダイナミックレンジはデジベルで測るために対数で効くからです。10%や20%下がってもそのまま直線的にダイナミックレンジに反映される訳ではありません。また新しいセンサーは高性能であるということもあります。この辺に800万画素時代にセンサー比較した記事があります。
http://www.asahi-net.or.jp/~eg3y-ssk/photo/tstar/digital/ccd2004/index.htm
ただし感度低下は問題です。実際QがAPS機と比べて劣るのは高感度性能でしょう。

もう一つこのクラスのカメラを使うときに気をつけることはシャープに写そうとして絞りこむのはよくありません。これはQ(や普通のコンデジ)は換算でなく実焦点距離で言うととても焦点距離が短くなります。APSが1.5倍とすると、これらでは5.5倍です。標準レンズでさえ8.5mmです。この場合に回析の影響が大きく出ます。前にIXYの開発者記事をみたときにはほとんど一絞り絞っても回析の影響があるようです。
普通のコンパクトデジカメは簡素化するために絞りが二段階程度で、あとはシャッター速度で露出を調整するので、絞りがないのであまりここは問題にならなりません。大抵開放で撮って、露出が合わないときだけF8くらいの絞りを下ろす程度です。
ただ絞るとやはりシャープになるのは(説明は省きますが)Qでも同じなのでベストポイントがあるはずです。これは一概には言えません。Qと01レンズに関してはメーカー作例をみるとF2.8で撮ってるので、開放からF2.8で撮るのが良いと思って上の作例ではF2.8で撮るようにしていました。

まとめ

使って楽しくとても画質も素晴らしいカメラです。持ってるだけで趣味性も高いので、カメラ好きのセカンドシステムにはお勧めです。ただしコンパクトデジカメからステップアップする人は普通にAPSサイズの一眼を買った方が良いと思います。画質面と言うよりそのほうが勉強にもなります。
買ったときにクラカメコーナーも見てきたんですが、そこにあったローライ35にふと似たものを感じました。Pentax QはAuto110を元にしたとも言いますが、そのミニチュア的な精密感はむしろローライ35に近い感覚かもしれません。

ニコンも1/1インチとかあまりないサイズのこうしたカメラを作ろうとしているとも噂されています。もともと35mmフィルムを135フォーマットとも言うのは、コダックの制定したフィルムの中で135番ということです。このライカの時代には多数のフィルムフォーマットが乱立していたようで、ライカでの35x24はまた出たかという感じの135番のフォーマットということなんでしょう。それがいつしかライカ判ともいわれる35x24に統一されたということなんでしょう。
このデジタルの時代もやはりそうした戦国時代のようにフルサイズ、APS、4/3、1/2.3その他いろいろと「システムカメラ」が群雄割拠しているのでしょう。それがいにしえのライカのように統一できる力をもったカメラが出るかというと、、まだわかりません。いろんなメーカーの試みが楽しめることでしょう。

posted by ささき at 22:05 | TrackBack(0) | __→ PENTAX Q | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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