2008年03月08日

Sigma DP1 - 高級コンパクトカメラの帰還

dp1b.jpg
Sigma DP1

ようやく待ち望まれていたSigma DP1が3/3に発売されました。
上の写真ではコシナの外付ファインダーと三脚穴マウントのリストストラップを装着しています。
考えて見るとデジタルになってからはこうしたカメラの趣味性というのは忘れていて、こうしてアクセサリーに凝るというのもひさびさに思えます。

Sigma DP1もこのカテゴリを見ていただくと分かりますが、一昨年のフォトキナで発表された時点から待望されていましたが、2年越しでようやく発売されました。しかし、一時は実現性自体が危ぶまれる点もあったので、こうしてなかなかの完成度で登場してみると感慨があります。
以前から何回か書いていますが、まとめるとSigma DP1はコンパクトデジタルカメラとしては次の点で画期的なものを持っています。

1. 一眼レフとほぼ同じサイズの大型CCDを搭載したコンパクトデジタルカメラであるということ

2. フォビオンを搭載したコンパクトデジタルカメラであるということ

3. 高性能の単焦点レンズを搭載したコンパクトデジタルカメラであるということ


細かく言うならば1は世界初ですが、2はポラロイドのx530が初であり、3についてもGRデジタルという先例はあります。
しかしここで言いたいことは、、ようやくデジタル時代に高級コンパクトカメラが戻ってきた、ということです。

高級コンパクトカメラの時代

かつてフィルムカメラの時代には高級コンパクトカメラというジャンルがありました。CONTAX T,Leica MiniLux,GR-21などなど、うちのホームページでもずいぶんとりあげました。

minilux.jpg
Leica Minilux

高級コンパクトカメラの条件とは、ひとことで言って趣味性の高さだと思います。
スタイリッシュなボディもさることながら、それらにはまさに「一眼レフに勝るとも劣らない」すばらしいレンズがついていました。CONTAXには名門ゾナーの流れを汲む38mmが、Miniluxにはコンパクトにしては大口径のF2.4ズマリットが、GR-1には後にLマウントでも再発売された名GRレンズがついていました。GR-21にはなんとコンパクトカメラなのに21mmの超広角レンズがついていました。そうした「神話」についてはここで繰り返す必要もないことです。
コンパクトカメラが単に旅行や記念写真を撮るものなら、そうしたものは不要です。でも写真とカメラというものにはまってしまった人には高級コンパクトカメラは宝石のような魅力を持っていました。

デジタルの時代とコンパクトカメラ

高級コンパクトカメラを可能にしていたのは結局のところ一眼レフでもコンパクトカメラでも同じフィルムを使うわけなので、カメラの大小よりも装着しているレンズの差で画質が決まる部分が大きいという点にありました。バックフォーカスの不要なコンパクトカメラの方がレンズ設計に有利な点さえあります。

しかし時代がデジタルになると、コンパクトカメラにはサイズの小さなCCDしか搭載できなくなりました。一眼としては小さないわゆるAPSサイズのCCDでさえ、コンパクトカメラよりも10倍程度も面積比で差があります。大きなサイズのCCD/CMOSが採用される一眼レフとは、そこで差がついてしまう結果となります。
またCCDに鉛直に光が当たるテレセントリック特性を確保するためには一眼レフレンズのようにバックフォーカスがあるものが不利とは言えなくなりました。またデジタルでは画像処理が必要になりますが、それもやはり小さなコンパクトに詰めるにはパワーが不足しがちです。
そうしたわけでもデジタル時代になってからはコンパクトカメラはただの記録カメラという位置づけになってしまいました。それではいつしか携帯にその位置を追われるようにさえなっています。
カメラ全体においてもデジタルになってから趣味性という部分ではかなり後退してしまいました。いつしかわたしもそうした風潮を受け入れて、このブログにおいても趣味性という側面について語るということはなくなりました。
デジタルカメラにおいては真鍮のキャップよりもHDRのプラグインを語る方がふさわしいように思えるからです。それでは趣味としてさびしいとも思いながら...

GRデジタルはそこに一石を投じました。質感の高いボディと高性能単焦点レンズの搭載はなかなか良い線を行っていたと思います。
ただ、たしかにレンズはいいと思います。しかしそれはかえってデジタルではコンパクトはどうしても一眼に及ばないという証明をしただけのように思えてしまいました。かつて上の写真のようにミニルクスとライカのレンズを同列に並べて撮り比べていたころを思い出すと、それを高級コンパクトと呼ぶにはやはり抵抗があります。

そうしてこのSigma DP1についてはかなり期待はありました。

dp1e.jpg
Sigma DP1

高級コンパクトカメラとしてのSigma DP1

いまどきの薄型デジカメと比べるとDP1はやや大柄に思えます。しかし、サイズを比較してみると高級コンパクトカメラとしては大柄なMiniluxよりは小さいということが分かります。ひときわ目を引くのはそのむきだしの大きな前玉です。

dp1g.jpg

Sigma DP1はフォビオン搭載の一眼レフであるSD14と同じ素子を搭載しています。そのため撮影倍率は約1.7倍とフォーサーズの一眼レフよりも大きいくらいです。
ここではじめて、コンパクトカメラが一眼レフと同じ土俵に乗れたことになります。フィルムカメラで考えるとこれでようやく普通のコンパクトカメラと一眼レフの関係と同じになります。高級コンパクトカメラとして考えるとさらに一歩ほしいところです。それはやはり良いレンズです。

レンズメーカーとしての威信をかけてDP1はかなり高性能の単焦点レンズを搭載しています。
フォビオンと組み合わせて解像力はたしかに驚くほどで、電線のような細い像でその効果のほどがよく分かります。
ここにいくつか写真を載せておきます。左の写真はRAW(X3F)からSPPで現像しました。右はインカメラのJPGで出力しています。
画質についてはまたあとで書いていこうと思います。

sd0051_x3f.jpg sd0027_jpg.jpg

焦点距離は28mm相当ですので広角を意識した絵作りが必要です。個人的には交換レンズ式の場合には50mmと28mmという組み合わせは差がつけられてよいのですが、レンズ固定式の場合はより汎用性のある35mmとか40mm近辺でもよかったのではないかとは思います。(ちなみにJPG出力のときはデジタルズームが3倍まで可能です)
レンズは恐ろしく前玉が大きく大きなサイズのCCDが奥に入っていることを伺わせます。F4とあまり明るくはないですが、これもイメージサークルを稼いで、かつ十分な解像力を得るには必要なことでしょう。また、カタログには通常のコンパクトデジカメのように歪曲収差を落として画像処理でごまかす、ということをしたくなかったと書かれています。レンズで歪曲を十分に取るからには、他の収差にしわ寄せがきてしまいます。そのためF4というところに落ち着いたと思います。レンズにはモールド非球面が使われています。

マニュアルフォーカスの機能があるので、過焦点距離をセットすればパンフォーカスでのスナップが可能です。とりあえずAPS-Cサイズで近似計算をするとDP1ではF4で約3.2m、F8では約1.6mだと思います。あとでフォビオンの対角を計算してもう少し正確な値を出したいと思います。
マニュアルフォーカスで過焦点距離に距離をセットしておけば遠景も含めて、過焦点距離÷2までピントが合います。
これを逆に言うと3.2m以内の被写体に開放(F4)でピントを合わせると、背景(遠景)はアウトフォーカスになるのでぼかすことができるということです。これは大判CCDならではの効果です。
上の右の写真は開放で銅像にピントをあわせていますが、背景はややボケていて立体感が適度に出ています。

フォビオン搭載のコンパクトカメラ

DP1については単に大きいサイズの撮像素子を搭載しているというだけではなく、それがフォビオン(FOVEON)であるという点も大きなポイントです。
フォビオンについても当初から興味はあったんですが、手を出すというまでには至りませんでした。しかし可能性はやはりあると思いますし、自分でそれを使ってみたいとも思ってはいます。

この辺も含めてまた記事を書いて行きたいと思います。
posted by ささき at 23:08| Comment(2) | TrackBack(0) | __→ Sigma DP1・DP2 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
この記事へのコメント
ささきさん、ご無沙汰しています。
MiMoFaです。
DP-1購入されたのですね。
私も、迷ったのですが、購入しました。SD14をほんのひとときだけ使ったのですがフォーカスがあわず手放してました。しかし、この素子の描写には捨てがたいものがありました。
コントラストAFの方が機械調整が少ないため、有利だろうと思っていたので今回の登場でフォビオンに復帰しました。
軽快に行きたいときは、これと、今度出る25mm+E-420で出かけるつもりです。
では、失礼します。
Posted by MiMoFa at 2008年03月21日 20:54
MiMoFaさん、こんにちは。
わたしも考えてみるとデジタルになってからは最近は一眼レフばかりだったので、レンズシャッターとかミラーのないカメラでまじめに撮るというのは久しぶりに思います。
真面目にかつ軽快に撮れるという感覚が良い感じです。
Posted by ささき at 2008年03月22日 09:49
コメントを書く
お名前: [必須入力]

メールアドレス:

ホームページアドレス:

コメント: [必須入力]

認証コード: [必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。
※ブログオーナーが承認したコメントのみ表示されます。

この記事へのトラックバック
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。