2007年07月10日

DxO Film Pack

最近は天気も悪くて撮りに行く天気ではないし、撮るものもあまりない、ということであまり撮りに行っていないのですが、なかなか面白いソフトが出てきました。デジタルの画像を写真をシミュレートして現像するというものです。

http://dc.watch.impress.co.jp/cda/review/2007/07/09/6505.html

これはかなり気になりますが、見てみるとエクタとかコダック系はなかなかうまくシミュレートしているように思いますが、フジ系はアスティアをのぞくといまひとつに思えますね。。ただ実際に試してみないと分かりません。
またモノクロ化もできるのでこれも面白いかもしれませんね。

とりあえずデモ版をいじってみようかと。。

2006年03月17日

Light Zoneデモ版試用

以前紹介したゾーンシステムにインスパイアされたというRAW現像ソフトのLight Zoneですが、Windows版も出来上がったようです。そこでデモ版として30日間試用版がダウンロードできましたので試用してみました。
Light Zoneはまずブラウザ上のサムネイルでRAWファイルを選択して、エディタという一枚のRAWデータを詳しく編集するというところは他のソフト(キヤノンのDPPやAdobeのLightRoomなど)と同じです。(Light Zoneでは残念ながら日本語文字は化けます)
またエディタではシャープネスとか彩度を変更するツールを呼び出すというところも同じです。Light Zoneでは各ツールごとにブレンドモードというメニューで中間トーンのみに適用するなど適用範囲を選ぶことが出来ます。

Light Zoneで特徴的なのは輝度とコントラストの調節です。普通のソフトではトーンカーブでこうした作業を行いますが、Light ZoneではZone FinderとZone Mapperというツールを組み合わせて行います。
まずZone Finderですが、これは小さなサブウインドウで画面の左上に置かれます。Zone Finderは画像の輝度分布を16段階に分割してそれを輝度別にハイライトして元画像に重ねて、どの部分がどの輝度ゾーンに相当するかを表示します。16段階のひとつは1/2段に相当します。こうして明るさを段数(ステップ)という単位で考えるところが写真家向けという理由の一つです。
Zone Mapperはあたかもゾーンシステムの濃度レベルのようなストライプであらわされます。これを変化させることで画像の輝度を調整します。Zone Finderで表示されたゾーンをZone Mapperで編集するわけです。

Zone Mapperは二つのストライプに分かれていますが、左の細い方が基準チャートでこれは変わりません。右のストライプの上にカーソルを重ねるとその位置の輝度に相当する部分がZone Finderでハイライトされてその明るさのところが実際の画像のどの位置にあるかということが分かります。そこでストライプをクリックするとそこがロック(マーク)されてZone Lockと呼ばれるハンドルができます。そのハンドルを上下させるとその前後のストライプが明るくなったり暗くなったりします。またコントラストが変化します。ハンドルを動かしてレベルを圧縮させると
ハンドルは複数作って細かく調整可能です。
実際のゾーンシステムでは現像時間でコントラストを変化させるのだと思いますが、Light Zoneではこのようにコントラストを変化させます。

ただ操作法は分かっても、実際にどうしてよいか分かりませんが、わたしが思った範囲でのひとつの例はこうなります。
まずこの画像が元の画像です。ややアンダーです。

step1.jpg

はじめにZone FinderとZone Mapperで画像のハイエストライト(一番明るい)部分を見つけます。
写真によっては全体に暗くてそこは最大輝度(255)ではないかもしれません。
そこで画像の最も明るい部分でロックしてそこを一番上に引き上げます。これで画像が全体に明るくなります。

step2_highest_set.jpg

次にディーペストシャドー(一番暗い)部分を見つけます。そこにロックを作り下に引き下げます。

step3_deepest_set.jpg

これで浮いたシャドー部を締まった黒にすることができます。ここまでの操作で画像の輝度範囲を最大限にマッピングしなおしたことになります。

ここからが面白いところですが、まず編集の方針として明け方の明るい空を生かしつつも山並みと水面は明けきらぬ暗さを残したいとしましょう。

そこでまず山並みの部分の明るさのところを見つけます。そこをロックします。

step4_mid1.jpg

次に水面のあたりをみつけてロックします。

step5_mid2_sky_never_change.jpg

この操作で空の明るさはそのままで山並みと水面の部分のみを暗く落とすことができました。
このように同じような明るさの部分を画面から見つけて、そこを重点的に調整できるというのは利点かもしれません。

なかなかまだつかみにくいところはありますが、面白そうなツールではあります。

2006年02月23日

Everplayとは

ちょっと予想していなかったのは2/22にコダック・富士フイルム・コニカミノルタの3社名義で「Everplay」なる規格が提唱されたことです。コニカミノルタが加わっていたということからそれなりに以前から進められていたことをうかがわせます。

http://www.everplay-spec.org/jp/index.html

ただ、ちょっと読んでいても「Everplayとは具体的になんなのか」ということが分かりにくく感じます。永続性ということばからはDVDなどでのデジタルデータの保存性の話かとも思ってしまいますが、FAQには物理的な永続性は含まれていないとあります。
つまり論理的なフォーマットであるということになります。永続性という言葉には写真を画像データとして残す場合のもうひとつの懸念である、いまデータをDVD-Rに書き込んでも将来はフォーマットが変わって読めなくなるのではないか?という心配に対する意味合いであると思います。
これはEverplayがPASS (Picture Archiving and Sharing Standard)と呼ばれていたことからも推測できます。

とはいえEverplayの実体はまだよくわかりません。そこで「Everplayとは具体的になんなのか」ということを調べるために、さっそく仕様書をダウンロードして読んでみました。

まずPASS Logical Disc Spec(1.101)を読むとその実体が見えてきます。
それはPASS LDS(Logical Disc Specification)に基づいたファイル(複数)とRDSと呼ばれるディレクトリの論理構造です。
LDSはXMLで記述されていて、MPV(後述)のスキーマによって定義されているようです。(P7)
これに対してユーザーの画像や音声データはPASS Assetファイルと呼ばれるようです。(Assetは資産のこと)
LDSファイル群はManifestsファイルとも呼ばれています。マニフェストは選挙の公約と日本では約されていますが、もともとは船の積荷などのリストのことです。

P45のFigur7を見るとEverplayの実体が分かりやすいと思います。
ルートにPASSIDX.PVMというインデックスファイル(index.htmみたいなもの)が置かれていて、各サブディレクトリに画像とともにPVMで示されるLDS記述ファイルが置かれています。
P52のAppendix Bには実際のPVMファイルの中身がサンプルとしてあります。

またPASS OriginatingAuthoring Spec(1.101)を読むと、どういう情報がメタデータとして記述されるのかが分かります。
B.2.1を読むと静止画像(つまり写真)についてのメタデータの記載があります。B.2.1.1にはEXIFから移行可能なデータが記述されていて、これは画像の縦横とかカラースペース、撮影日あるいはGPSデータとかおなじみのものです。
おもしろいのはB2.1.2に記載されているEXIFに無いデータですね。これらは手で指定しなければなりませんが、EXIFでは記録できない写真の被写体自体に関する情報です。
"favorit level"はお気に入り度みたいなものでしょう。"person description"では例えば写真の中に何人か写っていたらそれぞれの名前と立ち位置での識別(矩形領域での指定)ができます。集合写真でも有効でしょう。
車とか花には"thing description"が用意されています。また旅行で撮ったとかお祭りで撮ったということを示すために"event description"も用意されています。

このように実体はXMLベースのメタデータであるといえます。メタデータとはデータを記述するデータのことです。たとえばEXIF情報もメタデータです。XMLが最近もてはやされているのはこうしたメタデータを記述するのに有利だからというのがひとつの理由です。
AdobeのBridgeを使っている人はこうしたデータがXMP形式として自動的に作成されます。あるいはAdobeのXMPが事実上の画像処理のメタデータの標準になりつつあるので、それに対するけん制という意味合いもあるかもしれません。(ちなみにXMPもXMLで記述されています)

実体がなんとなく分かると今度はユースケースもなんとなく見えます。

たとえば画像をCDRに焼いて家庭用DVDプレーヤーなどで閲覧するとします。画像を見ること自体はISO標準で書き込んでいれば読み込むことは問題ありません。しかし、何年何月に撮ったものを検索するとなるとどうでしょう。DVDプレーヤーの機能で画像の作成日付で検索できたとしても画像の作成日付が撮った日付とは限りません。
カメラのEXIF情報の撮影日時を持っていれば実際に撮影した日付で検索ができますが、DVDプレーヤーはEXIF情報を検索できないでしょう。そこでEverplayという共通のフォーマットを理解できれば上記のメタデータを利用して検索すればよいわけです。
ただしこのためには家電業界がEverplayを認知しなければなりません。

先に述べたようにEverplayはMPVを参照しているとあります。
MPVとはOSTA"Optical Storage Technology Association"つまり光ディスクの規格制定団体が制定した規格ということになります。
このOSTAの加入団体を見るとコダックが入っていますので、その関係もあるでしょう。

http://www.osta.org/osta/press_releases/pr211102.htm

こちらに日本語の記事があります。

http://www.watch.impress.co.jp/av/docs/20021125/osta.htm

MPVはこのようにPCで製作された画像・音声データをカーオーディオとか家電品との互換性を考えた規格といえます。
Everplayではこれを利用して互換性を持ちつつも主にミニラボでプリントするときなどのために拡張していったものとも見えます。MPVはコア規格ということなのでEverplayはMPVのアプリケーションのひとつと考えても良いのかもしれません。

具体的にどう使われるかということですが、たとえば下記の記事にニコンがバンドルソフトでデジタルカメラの画像を光メディアに焼くときにMPVを採用しているとあります。

http://www.rbbtoday.com/news/20040409/16119.html

これはスライドショウなどのためですが、将来的にはこのような形でEverplayをMPVに置き換えて使用して、Everplayで記述された画像データをミニラボに持ち込んでプリントをお願いして欲しいということではないかと思います。
上のPASS Logical Disc Specにはミニラボがこのハブ的な存在となりうることを示しています。たとえばいまデジカメのデータやフイルムのネガ・ホジをラボに持ち込んでCDに焼いてもらうサービスがありますが、その書き込みフォーマットがEverplayに対応されるということになります。そうした点ではミニラボ活性化の方策のひとつとも言えるかもしれません。

それと自分で画像を管理するときにこのEverplayのLDSに基づいたメタデータで管理するというのもひとつ面白いかもしれません。
こうしたメタデータの応用と画像データの管理ということがデジタルアーカイブ化するひとつのメリットでもあり、画像の色やシャープネスの補正以上にデジタル時代には重要になっていくソフトウエア分野のひとつであると思います。

2006年02月02日

ゾーンシステムによるRAW現像ソフト "LightZone"

ちょっと面白そうなRAW現像ソフトの紹介です。
さきのMacWorldではAdobeのLightroomが注目されましたが、それとおなじく"MacWorld's Best"にノミネートされた注目株がLightcraftsという会社の"Light Zone"というソフトです。

http://www.macworld.com/news/2006/01/12/bestofshow/index.php

"Light Zone"の特徴は名前の通りにゾーンシステムをRAW現像と画像処理に応用したところです。
従来のフォトショップでいうところのレベル補正やトーンカーブを使うところをゾーン・マップというトーンの処理を適用することで行うらしいですね。そのためヒストグラムの代わりにゾーンシステムのゾーンスケールのようなもので明暗を画像に対して割り付けていくという考えのようです。ライトヴァリュー(LV)だけでなく、カラーの正確な再現のためにカラーヴァリューという考えも取り入れているようです。
いままでにゾーンシステムを組み込んだカメラというとコダックのモノクロ専用デジタルカメラのDCS 760mくらいですが、この辺は「古くて新しい」感じがしますね。

"Light Zone"のホームページはこちらです。

http://www.lightcrafts.com/products/lightzone.php

LightZoneではAdobe Bridgeに相当する"StudioZone"というファイルブラウザで一覧を表示します。編集してももちろんもとのデータを直接書き換えるようなことはありません。
特徴的なのは各画像ファイルの編集画面で、左上に画面の輝度というか濃淡のトーンを示す子画面が表示されます。ここが従来のヒストグラムに相当するようです。
その下の"ZoneMapper"と呼ばれるいかにもゾーンシステムらしい濃度スケールをポイントするとそれに対応する濃度レベルのところが上の子画面でハイライトされるということのようです。このスケールを可変することで画像の輝度を変えると言うことでここが従来のレベルとかトーンカーブ調整に相当するのだと思います。この辺で使われるpre-visualizeという言い方がやはりアンセルアダムスを連想します。
LightZoneではリニアデータから明暗を起こしていくということでハイライトとシャドーの再現がかなり広く行えると思います。

また画面の一部を選択するのに"RegionMapper"という概念があります。ここで調整したい場所(たとえば逆光で暗くなった顔の部分)を選択するということのようです。ここは投げ縄ツールに近いのですが、あまり厳密に指定しなくてもよいようです。

こちらにプレゼンテーションデモがありますので実際の画面と動きを見ることが出来ます。顔の明るさを変えるのはかなり楽そうですね。

http://www.demo.com/demonstrators/demo2005fall/55049.html

また文中のPixel-Paintaing softwareというのはPhotoshopを差しているんだと思いますが、対抗心があると同時にそれとは根本的に違うんだと言いたげです。
先日紹介したAdobeのLightRoomはCameraRAWそのものにPhotoshopとは違ったフロントエンドをかぶせたというコンセプトなので中身はCameraRawと同じようなものですが、これはRAWファイルをいかに現像するかということにまた違った視点から捕らえた面白いアプローチだと思います。

いまはMac用のみですが、無料デモがありますので興味ある方はどうぞ。わたしもWindows版が出たら試してみたいと思います。
ちなみに価格は$250とのことです。

2006年02月01日

Open RAWのアンケート

例のニコンがRAWのホワイトバランスデータを暗号化したのを抗議されたという事件のときに少し出てきた"Open RAW"の団体がアンケートをとっています。(3月末まで)
ここではRAWデータをメーカーの都合ではなくもっとオープンにしてほしいという活動をしているわけです。

http://openraw.org/survey/

アンケートといってもどんなカメラ・ソフトを使っているかということだけでなく、中ころのStatementsのところで「自分はメーカーの提供するソフトで満足である」とか「もっといろいろなツールがつかいたい」や「暗号化するな」「独自フォーマットはメーカーの強みであるか」などユーザー(というかOpenRAW)の主張的なところを書いてあったり、架空のカメラスペックを書いてこれが買いたいか、と聞くところなどなかなかユニークなアンケートです。
ちょっと長くて疲れますが気合は感じます(爆)

ただ最終的なアウトプットがどこにつながるのかがちょっと見えにくいところではありますが..

2006年01月07日

ソフトウエアと後処理

写真というものに興味を持つと、わたしはその歴史にも興味を持ってしまいます。そこで時間のある時など半蔵門のカメラ図書館で戦前のカメラ雑誌を読むことがあります。カメラの新製品や作品発表など、いまの雑誌と変わらないような気がしますが、ひとつ気が付くのは現像や焼き付け関係のノウハウ紹介などの記事がとても多いことです。
いまと違って当時はカメラマンが自分で現像してプリントするのは半ば当たり前だったと思います。ライカが登場するにあたって、ライカ判という新フォーマットを普及させるためにフォコマートを合わせて発売したというのもうなずける話です。

考えてみると、写真という作品に自分の意志を反映させるためには、カメラマンが現像・焼き付けまで責任を持つというのは当たり前のことかも知れません。また撮る段階で後工程のことを考えておくことができます。
しかし時代が進むにつれ写真人口が拡大し人は狭いアパートに住み、現像・プリントがコンビにでも頼めるようになるといつしか後処理の部分はカメラマンから離れて行きます。

いまデジタル時代になり、ふたたび後処理がカメラマンの手に戻ってきました。今度は狭いアパートでも現像する場所に困ることはありません。そしてなによりいままでに考えられない可能性も秘めています。