2007年06月13日

梅雨空とHDR

やはり写真をやるならば天気が悪い、ということを逆手にチャンスと思わなければならないところもあると思います。
雲が厚いとHDR日和であるともいえるかもしれませんね(^^

というわけでちょっとHDRで撮ってみました。
レンズは同じでEOS-1DsMkIIとVK50Rです。

8541_hdr.jpg

これも手持ちですのでブラケットで撮ってますが、このシーンは意外と輝度差があるようで+/-2段のブラケットだと少し足りないので+/-3で撮りました。この日はVK50R一本勝負で行ったんですが、もうちょっと広角でもよかったかも。

2007年01月04日

HDRと通常撮影表現

昨年はHDRを応用していろいろと幅を広げてみました。
その一年を振り返って思うのは写真的表現とHDR再現のはざまです。

たとえば再掲もありますが下の写真は左が通常撮影で撮影したもの、右がHDRで撮影したものです。

blog_shinrin4.jpg       blog_shinrin_hdr1.jpg

左はHDR用の画像から一枚取り出したものではなく、撮影時に露出(つまり写真表現)を考えて撮り直したものです。またHDRの場合も成り行きではなく、画像作成段階で明暗を考えて8bit画像を切り出します。この二つの表現は自分で見直してもどちらもキープしたいものです。

ハイライトを飛ばしたり、シャドーをつぶしたりというのはダイナミックレンジの制約というよりも絵を立体的にしたり表現したいものを際立たせるために他を省略したりという写真表現ゆえですから、HDRのために通常表現がなくなるというわけではないと思います。

HDRは新しい領域に写真の可能性を広げましたが、逆にHDRを撮るようになってこうした古い表現を改めて考えるようになったということもありますので、なかなか写真も面白いものではあります。

2006年12月02日

紅葉とHDR (2)

今度は背景のボケに紅葉を配した写真でHDRを使ってみました。
地蔵さんのディテールの保持によりかなり立体感があるのではないかと思います。

blog_heirin_hdr2.jpg
EOS-1Ds MkII, EF70-200/4L

2006年11月25日

紅葉とHDR

こちらはHDRを紅葉に適用してみました。手持ちでブラケット3枚の+/-3段の画像から作成しています。

blog_heirin_hdr1.jpg
EOS-1DsMkII, EF24-105/4L IS

普通にこのくらいの露出で撮るとこのハイライトの状況だと葉が白く飛んでしまいますが、HDRでは全ての葉に色が乗っています。

2006年11月20日

FWGPA06ページのバナー (HDR)

先日撮りに行ってきた曲技飛行選手権の写真を整理してページ作成にむけていますが、そのバナー用の画像をHDRを使用して作成しました。
EOS-1Ds2でEF24-105ISを使用して手持ちで3枚のブラケット画像から作成しています。少しボケた背景の夕日とシャープなプロペラと勝利の花束の対比がなかなかいいかなあと思います。

banner06.jpg

それとhttp://www.jkairys.comのtopicページの11/8欄にも写真をアップしていますのでそちらもごらんください。
ここの公式ページのために少し取材写真も撮ってきました。

2006年08月03日

EF24-105ISとHDR

EF24-105ISのように標準ズームにISがつくと大口径でなくても室内で撮れるので、広角であることとあわせてそれなりに被写界深度が稼げます。
ここではHDRを使用してその利点を生かしてみました。ここでは手持ちなのでブラケットで3枚撮っています。

blog_hdr_ef24.jpg
EOS-1Ds MkII, EF24-105/4L IS, 28mm, HDR

さすがにこの組み合わせではトーンの抽出も豊かで深みのある絵になっています。普通は飛んでしまうカーテンがこういう美しさを持つのはHDRならではです。

2006年06月04日

上高地とダイナミックレンジ

HDRの広いダイナミックレンジをぜひネイチャーフォトで生かしてみたいと思っていましたので、今回の上高地ではなんカットかHDR用に撮ってきました。

さっそく作ってみたのが下の写真で「大正池から見た穂高の夜明け」です。
5枚のRAWデータから作成しています。

blog_kamikouchi_hdr1.jpg

ちなみにカメラはEOS-1Ds MkIIでレンズはEF24-70/2.8Lです。
普通に撮ると下の写真のようになります。実際に上のHDRを作成するのに使ったRAWデータの中から一枚だけ抜き出してDPPでスタンダード現像したものです。

blog_kamikouchi_hdr_hikaku.jpg

差はかなり大きく、HDRでは絵画的なタッチさえあります。
HDRのむずかしさはHDR画像自体を通常のモニターでは再現できないことで、最終的に8bitに切り出すときに予測するのがなかなか難しいのです。
この辺はいろいろと試行錯誤ですね。。

2006年01月20日

オートブラケットとHDR (2)

今度は三脚不可能な室内でオートブラケットにて撮った画像からHDRを作成しています。
ISO400で撮っていますが、さすがにKiss Digital Nはこのくらいならまったくノイズ感はありません。
実際にノイズ処理していません。

f4_hdr_1.jpg
DC30/1.4, F4.0, HDR, ISO400, Kiss Digital N(ノイズ処理なし)

室内の柔らかい光がよく回った感じになっていると思います。絞りF4なのでわずかにボケていく屋外も同時に光を取り込んで描写しています。
HDRから8bitを切り出すときのパラメーターによってはさきの海岸のような油絵的なコントラストだけでなく、このような柔らかいトーンを作ることも可能です。
こうなると一見してHDRで作成したのではなく普通の写真に見えますが、普通の写真では不可能な光の再現なのです。
またDC30/1.4の緻密さはここでもいい感じですね。

2006年01月17日

オートブラケットとHDR

手持ちでオートブラケットで撮った画像でもHDR化を試してみました。
3枚のJPEGから作成しています。

hdr1.jpg
DC30/1.4, F5.6, HDR, ISO100, Kiss Digital N

写真というより絵画のような趣もありますが、これが普及品デジタルカメラでの手持ちとは思えないくらいの仕上がりです。
Sigma DC 30/1.4のシャープさも貢献しているというのもあるでしょう。
これは海も波も動いているのですが、高速度でのオートブラケットなのでマニュアルで時間をかけてブラケットするより良かったかもしれません。
HDRの場合は露出はあとで選べるとも書きましたが、ブラケットする枚数が少ないときはやはり最終的なイメージを想定してあらかじめローかハイかに振ったほうが良いかもしれません。

2006年01月14日

16bitリニア出力とダイナミックレンジ

前掲の民家の例の下のものはRAWから8bit(つまりJPEG)出力したものでした。これはHDR変換する前のイメージということで比較するために8bitでそろえたからです。
そこで今度は一枚のRAW画像からどれだけのダイナミックレンジが引き出せるかということを試してみました。これで1DsMkIIの最大限の実力を知ることが出来ます。
方法としては8bitではなく16bit(TIFF)出力をおこない、さらにリニアで出力します。
CCD-RAWと呼ばれているデータは本来フラットなのですが、それだと暗くて眠く見えるので普通RAW現像と呼んでいるものは必ずトーンカーブを適用してコントラストをつけます。しかしコントラストをつけることにより階調性が損なわれてしまい、ディティールがなくなるので、それを避けるために最大限にハイライト・シャドーを引き出すときはリニアと呼ばれる現像をします。
その後でいろいろといじるわけですが、かなり手間はかかります。
しかし下記の写真のように一枚のRAWデータ(前掲の下の民家の写真と同じデータ)でもシャドー部を引き出すことは成功しました。ただし空はさすがに記録されていません。また完全にきれいな画像にするにはややデータ不足という感じはします。
(ただトーンカーブを適用しただけでなく、ローカルコントラストの画像処理でHDRを応用しています)

hdr_minka16.jpg

本来デジタルカメラではこのくらい記録できているわけです。逆に言うとRAWデータは現像と後処理しだいではいかようにもできる懐の深さがあるというわけです。

HDRを作るときにも本来は16bitから作り16->32->8とした方が良いとは思います。しかし8bitベースでもかなりCPUパワーを使いますので16bitから作るとちょっとすごそうです。
この辺はまだまだ試行錯誤ですね。

HDRと撮影

HDRを応用実践するにあたり、はじめはいままで撮った中からテストしようと思いましたが、実際に適当なものを過去撮ったなかから探してみるとあまり役に立ちませんでした。ブラケット撮影はデジタルでもしますが、たいていは1/3EVとか1/2EVとか微妙な差でやるわけでHDRで使うような極端な露出差は撮りません。
デジタルの場合はプレビューでハイライト抜けが即座に分かります。そのため実際そうした写真を撮っても役に立ちませんので、+/-2EVも違うようなカットは明るすぎるか暗すぎていままでは露出失敗として捨てていたわけです。

そこでテストするためにHDR用に頭を切り替えて撮りに行きました。
はじめはなにをどうやったらいいか戸惑いますが、とりあえず標準露出を図って+-2EVでAEBをしてだいたいの露出をつかみます。
次にハイライトとシャドーをスポットで撮影して必要な輝度差を考えます。まずハイライト部を測り、シャドー部を測ります。それから例えばハイライトの時間からはじめて2段飛ばしで撮影して行き、シャドー部の時間まで来たら終わりです。ここはマニュアル露出モードでやります。

正確に言うとHDRに必要な露出の枚数は対数計算で求められるようですが、さすがに計算してられないので目安が欲しいところです。2段とびというのも経験則のようなものです。
ひとつの目安としては室内と屋外を晴天に両方入れるには最低8EV(8段)必要です。そこでF8であればだいたい1/250から1秒まで変更させればいいということになります。
このときファインダー内の露出目盛りは上から下まで横断してしまいます。こうした新しい概念に対してはレガシーなデバイスというのはときとして役には立ちません。もはやデジタルカメラでさえ時代に追いつかなくなっているのかもしれません。

考えてみれば自然界には最大でも15EVしかないのだから、決めうちですべてカバーするように撮れば良いという考えもあります。
そうすればそもそも露出を図る必要はないわけです、HDRならすべて記録できるのですから。
そうした機能を持ったカメラがあっても良いとおもいます。たとえばカメラの露出モードには絞り優先やシャッター優先または被写界深度優先があるので、ダイナミックレンジ優先という考え方です。

またこうしたブラケットは撮影中に被写体に動くものがあるとだめなので、風景や静物向きとはいえます。手持ちでも十分なシャッター速度が切れればオートブラケットでも可能ですが、イメージのずれのアライメントを調整する必要があります。
この辺の適合性も見極めていきたいですね。HDRでなにができて、なにができないかということです。

2006年01月12日

HDRについて

ページ「梁と壁の言葉」ではHDRを応用しました。
ノイズ除去ソフトが高感度撮影を変えたようにHDRは露出に関する常識を変えることになるかもしれません。

HDRHigh Dynamic Rangeの略で従来の写真が記録するダイナミックレンジを遥かに越える輝度差を記録できる画像形式です。各色8bitのjpegや12bitのRAWに比べてHDRでは32bitもの広大なコントラスト差を記録できます。
(画像ということを明示するためにHDRI "High Dynamic Range Image"と書くこともあります)

HDRはフォトショップのための専用形式ではありません。
もう少し詳しく書くとHDRは32bit(浮動小数点)での画像の記録形式の総称で、LogLuvやRadiance RGBEなどいくつかのエンコード形式のヴァリアントを持っています。Photoshop CS2では標準ではRadiance形式のHDRファイルを読み書きでサポートしてLogLuv形式のHDRファイルを読むことができます。おそらくはRadianceエンコードがよく使われるHDRフォーマットであると思います。
HDRはもともとCGや映画の分野で必要から生まれたもので、それがこうやってスチル写真の分野にも応用されてきたというわけです。

重要なポイントはHDRは広大なダイナミックレンジを記録できますが、それを撮るカメラやそれを再現するモニターやプリンタは従来と変わらないということです。
そのためHDRを作成する際には複数枚の露出ブラケットされた写真を一枚のHDRに変換します。またHDRで記録した画像は最終的に8bitに落とし込む必要があります。広い領域から限られた領域に切り出すわけですから、ここが従来の写真では露出にあたるのでしょう。もちろんただ切り出すだけではなく、効果的にダイナミックレンジをマッピング・圧縮することでいままでにない表現が可能です。
この8→32→8と変換する部分をソフトウエアで行います。また24bitに変換すると表現されるときもありますが、24bitは8bitx3を意味していますので、ここで書いている8bit変換と同義です。


それでは実例をお目にかけます。(下記写真をクリックすると拡大します)
この写真はHDRを意識して撮った画像を8bit変換(つまりモニタで見られるように変換)したものです。
撮るときは2段飛びに5枚の写真からHDRにしているので、マスターファイルであるHDR画像には12EVもの範囲が記録されています。それをモニターで見られるように5EV程度に圧縮しているわけです。
そのため空のグラデーションが完全に再現されており、家の中の光まできちんと再現されているのがわかります。家の外壁の質感も完璧に出ています。

hdr_minka1.jpg


こちらは通常の一枚の写真を現像したものです。つまり12bitデータから現像しています。家を見るとわかるように少しアンダー目に撮っているにもかかわらず普通に撮れば空は飛んでしまいます。また壁面は黒くつぶれてしまいがちになります。
現在最高クラスのダイナミックレンジを持つ1DsMkIIでもHDRと比較するとこうなってしまいます。

hdr_hikakuyou.jpg

これらはフィルムでは覆い焼き・焼きこみなどで行われていたものに近いと思いますし、以前のフォトショップでもテクニックとしてやっていた人もいると思います。HDRの応用でこれらをもっとスマートで効果的に行うことができるのが分かると思います。

人間の目は白飛びや黒つぶれがありません。なぜなら255:1の8bit記録を遥かに上回る10000:1ものコントラスト差を識別できるほど肉眼というデバイスは優秀だからです。そのため最終的にHDRで作成した画像はまるで肉眼で見るようにとても自然に見えるはずです。
しかし当たり前のようでいて、従来はなかなかなしえなかったことです。