2006年02月09日

Sigma 18-200mm F3.5-6.3 DC

シグマのDC30/1.4の結果がなかなか良かったので、ちょっと懸案だったコンパクトな高倍率ズームレンズ、Sigma 18-200mm F3.5-6.3 DCを入手しました。(以降DC18-200と呼びます)

http://www.sigma-photo.co.jp/lens/digital/18_200_35_63.htm

こうした高倍率ズームはフィルム時代に28-200mmのブレークからはじまったと思います。シグマとタムロンを中心に開発競争が繰り広げられて最終的に28-300mmという約10倍のところまできています。
このDC18-200mmはそのデジタル版ともいうべきもので、換算するとだいたい28-300mm相当になります。このレンズはAPSサイズのデジタル専用です。
やはりシグマとタムロンで同スペックのレンズが出ていますが、どちらを選ぶかという点ではシグマの方が多少径が細くサンプルでは描写もシャープに見えます。しかしやはりピントとズームリングがシグマがキヤノン方向であるのにたいしてタムロンがニコン方向であるという点が大きいと思います。これが逆だとやはり使いにくいですからね。

高倍率レンズの良さというと装備をコンパクトにできるということと、画角の大きな変化にレンズ交換無しで対応できるということがあります。
例えば昨年撮った中で言うと、流鏑馬で接近する馬と旗手を望遠で切り取って近接したら広角で流すとか、新宿の鉄砲隊の祭りで撃つ寸前のときの隊形を広く撮った後に、すかさず次の射撃の瞬間の表情を望遠で撮る、などこうしたときに高倍率ズームがあれば良いとおもいました。(現実的にはKissDNにつけるということを考えると流鏑馬は難しいですが)
またレンズ一本というと人ごみの中でも便利ですし、土煙がすごいところでの交換に躊躇することもありません。

こちらの写真はワイド端で撮ったものです。

4447_18mm_f8.jpg
DC18-200、Kiss Digital N、18mm(換算約28mm)、F8

下の写真は上の写真の一部をテレ端で撮ったものです。ちょっとどこか分からなくなるくらいの差ですが、10倍ズームというとこのくらいの画角差があります。

4448_200mm_f8.jpg
DC18-200、Kiss Digital N、200mm(換算約320mm)、F8


重さはDC30/1.4に比べるとそう変わらないのですが、全長は少し長く重量バランスが前に行くためにDC30/1.4よりは持ちにくく感じます。ズーミングのトルクはスムーズさはまあまあというところでしょうか。ズームのテレ側ではずいぶん伸びますが、普通に下げているぶんには、あんまり自重で伸びないのは良い点です。なぜか50mm以下の設定では自然にずれることが多いのが難点ですが個体差かもしれません。それ以上長い方に延ばすとしっかりしています。またズームロックもついています。

DC30/1.4と違って超音波モーターではないので、USMになれているキヤノン使いはモーターはややうるさいと感じるでしょう。
ズーミングをすると一旦あわせたピント位置は大きくずれてしまうので必ずズームしてからピントは合わせなければなりません。MFはフルタイムマニュアルは使えませんが、このクラスでは開放のシャープさもあって良い方だと思います。


やはりこのレンズの良さはズーム全域にわたって高性能なことです。
ひとことでいうとテレからワイドまでシャープで歪曲や色収差も少ない方です。

特に望遠側が優秀で広角よりも望遠側の解像力に力が注がれた感じがします。広角端は望遠端よりやや開放はあまく感じます。望遠側は開放からシャープです。場合によってはフレアっぽさを感じることもありますが、ほとんど気になりません。
中間位置でもシャープさは際立ちます。下の写真は中望遠相当で撮ったものです。

4595_59mm_f71.jpg
DC18-200、Kiss Digital N、59mm(換算約96mm)、F7.1

また意外とボケ味も悪くありません。こちらはテレ端の開放です。
4425_200mm_f63wo.jpg
DC18-200、Kiss Digital N、200mm(換算約320mm)、F6.3開放

色も浅めかと思いましたが、KissDNとの組み合わせでは悪くありません。
いぜんフィルムのときにEOSでシグマのレンズを使った経験からすると、キヤノン純正レンズと併用するときは色味の違いが一番の懸念だったのですがデジタルではそれほどの差は無いという感じです。やはりフィルムと違ってデジタルは画像処理で色計算してしまうせいか、メーカー間の違いというのはかなり吸収されてしまうと思います。
アダプターでコンタックスレンズをつけてもEFっぽい発色になるのと同じように、シグマのレンズをつけてもEFっぽくなるという感じです。

全体に歪曲も少なく、とくに広角側は優秀で樽型はあまり目立ちません。ただ中間域での糸巻きがやや目立ちます。
もっとも先に述べたPTLensでこれは簡単に修正されます。この辺がデジタル時代に高倍率ズームのような収差が大きいレンズが生きてくるところです。この辺の修正例はまたあとでアップしたいと思います。

色収差もかなりすくないと思います。いじわるをして望遠も広角も晴天下でコントラストの高いものを開放で撮ってもフリンジは思うほどひどくはありません。レンズが暗いゆえの利点かもしれません。DC30/1.4の開放ではフリンジはかなり目立ちます。

また逆光でややゴーストは出ますが派手というほどではなく適度に押えられていると思います。全体のコントラスト低下もそれほどではありません。

良い点を述べてきましたが、問題点としてはまず望遠端でF5.6と表示されてしまうことです。これは実際の明るさはF6.3なのにキヤノンのAFでオートフォーカスを使うためにわざとやっているそうです。とはいえ、ここは改善して欲しいと思います。
*最新のファームでは修正されているようです。

またマクロ能力はもう一息です。近接力としては3:1が寄れるレンズのひとつの目安だと思いますので、もう一息がんばってほしいものです。ただテレ端で最大倍率となるタイプので、仮に3:1であっても手持ちでは使いづらいかもしれません。
それを考えるならば全域で同距離まで寄れるのは分かりやすいのですが、50mm近辺で最大に寄れるようにマクロポジションがあっても良いような気がします。


フィルムのときはシグマはシャープだが発色がいまいちという印象があったと思います。ただデジタルになって発色の差があまりなくなり、シャープさのメリットが多画素化によりフィルムよりもクローズアップされてきたというところがシグマのレンズを再評価するところだと思います。
そしてデジタル時代でのシグマが再評価されるプラスポイントは、なんといってDC30/1.4やこのレンズのようなニッチなレンズを次々に出す「やる気」というところにあると思います。
posted by ささき at 21:14| Comment(0) | TrackBack(0) | __→ Sigma 18-200mm F3.5-6.3 DC | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする