2008年09月15日

ツァイス製EFレンズ登場

さきほど届いたCamera Lens News(CZの広報ML)によるとツァイスが少し前からうっていたティザー広告の通り、いよいよツァイス製のEFマウントが登場することになりました!

http://www.zeiss.com:80/cln

ZEマウントのレンズはまずP50/1.4とP85/1.4という代表的なレンズが2機種でるようです。
光学的にはZF/ZKのものと同じだと思いますが、EFの電子情報に対応しているようです。
露出モードはP/Tv/Av/Mの事実上すべてのモードをサポートして、レンズはマニュアルフォーカスですが、おそらくリンク先の記事からするとフォーカスエイド(合焦点灯)に対応していると思います。
またデジタルではきちんとレンズデータと露出データをEXIFに記録できるとのこと。E-TTLとも連動しているようです。
もともとAFはだれも期待していなかったと思いますので、AEをこれだけサポートしているだけでもかなり完全なできです。

きちんとプラナーをEFに継承してくれただけでも拍手したいところです。
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2006年03月02日

新時代のPlanar T* 50/1.4

ツァイスのカメラレンズ部門が発行している情報誌のCLN24が発行されました。それにはZFレンズについての記事がいくつか載っています。
目を引くのは新ZFレンズのテストで、これはコダックのImagelink HQフィルム(ISO25)にチャートを撮影して行ったとのことです。それによると従来の最高値は250lp/mm(lpはline pairでしょう)であったそうです。
ところが新しいZF Planar 85/1.4はF5.6でその最高値をマークしてf2まで性能は下がらない、さらにZF Planar 50/1.4ではf5.6からf2.8の領域でなんと320lp/mmを達成し、f2でも250lp/mmをマークしているとのこと

調査方法もさきにあげたDxOのようなデジタル方式は一切いれずに顕微鏡でネガを直接目視測定したということです。ちなみに他の項目にありますが、320lp/mmはこのフィルムの限界のようなのでもっと上をいく可能性もあるのかもしれません。
RoHS対応で性能は下がったんじゃないかという邪推もあったんですが、懸念は無用ということのようですね。かえって進歩しているというのは驚きます。
単純なガウスタイプが性能向上するには硝材の進歩以外にないと言う話がありましたが、ライカの新型ズミルックスM50ASPHのときにも少し書いたように近年はそれなりに硝材も進歩しているのかもしれません。
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2006年03月01日

ミッシングリンクとしてのPlanar T* 50/1.4

ツァイスからZFマウントレンズがアナウンスされ、一度は絶えたかのように思えたコンタックスレンズですが命脈を保つことになりました。
その第一弾としてラインナップされたのはヤシコン時代の標準レンズとしてコンタックスの顔でもあったPlanar T* 50/1.4です。今回はFマウント用とM42マウント用が用意されていますが、中身はほぼ当時のP50/1.4と同じもののようです。実際にあまり手を加えるところのない完成されたものがあると思います。

以前下記ページに「RTS前夜」としてイコン時代からヤシカRTSまでの流れを書きました。

http://www.asahi-net.or.jp/~eg3y-ssk/photo/tstar/history/zeiss2.htm

上に書いたようにいくつかのツァイスのレンズはContarexのラインナップからヤシコンに受け継がれています。それらは主にP85/1.4やD25/2.8のようにレックスのレンズとしても比較的新しいものです

しかしPlanar T* 50/1.4はヤシコン発売の初期からありましたがレックスのラインにはなかったレンズでヤシカ・コンタックスで新たに加わったものです。このためにアサヒやヤシカの設計ではないかという話もよく噂されます。
しかし、ここにもうひとつの仮説があります。

ここでもう一度前掲のページを読み返していただくと、いまの状況ともう一点共通することを見つけられると思います。それは本家(昔はイコン/今は京セラ)のカメラボディが絶えた後にドイツ国内の小メーカーにカメラボディを委託しようとした点です。いまはそれがBraunという会社であり、70年当時はWeberという会社でした。Weberは主業務はスライド機器だったようですが、いろいろとカメラメーカーの下請けもやっていたようです。ツァイスはドイツ国内の精密機器メーカーとのつながりはとても広範囲で強いので、とりあえずこうしたメーカーにつなぎを頼んだというのは納得できます。

ここで1970年当時にかえってみてWeberというパズルのピースがツァイスレンズの流れにどうはまるかを考えて見ます。
まずツァイスが1971年にイコンのカメラ・レンズ資産の整理を決定します。そしてWeberが72年にツァイスからこのカメラの打診を受けておそらく一年かけてその検討をする(72-73頃)、そしておそらくは73年ころに製品化を断念したのだと思います。するとヤシカが74年のフォトキナにむけてほぼ一年かけてRTSを開発したという事実(73-74年頃)と見事にオーバーラップされます。そして1975年にヤシカ・コンタックスシステムが発売されたわけです。
この仮説はヤシカとイコンを結ぶミッシングリンクが発見されれば裏付けることが出来ます。
そのミッシングリンクがこのWeber SL75用のPlanar T* 50/1.4です。


crx_rts1.jpg            crx_rts2.jpg

RTSとContarex(SL75レンズ装着)



それを入手されたsplit_imageさんからレンズの写真と比較用のレックスの写真を提供いただきました。また比較メモもいただきましたのでそれを用いて下記の文を記しました。
(この記事の写真の著作権はsplit_imageさんにあります)


p50_top.jpg  p50_wg.jpg  p50_bottom.jpg
SL75用 Planar 50/1.4の外観とマウント面


レンズを見ると残念なことに光学系は抜け落ちています。ただしヘリコイドはちゃんと回転しAE連動機構も動きます。また仕上げを見ると削り出しのバイト痕など皆無なので、完成品レベルの美しさです。
Carl Zeiss/West Germany銘で5705110のシリアルがあります。黒クローム仕上げでサイド文字の書体もヤシコン用の初期型AE-Gレンズと雰囲気が似ていますが、メートル表示に併記されたフィート表示はレモンイエローで色刺しされています。
1975年前後に生まれたRolleiflex SL35M、Rolleiflex SL2000F (発売は 1981年にずれ込んだ)、それにCONTAX RTSのレンズは同じ鏡胴デザインを採用していましたが、それと一貫したデザイン、仕上げ、刻印になっているようです。

p50_p50_top.jpg  p50_p50_side2.jpg  p50_p50_bottom.jpg

ヤシコン用P50とSL75用P50の比較


ヤシコン用のP50/1.4(左)と比べてみると前玉を抑えるリングの内径も同じようですが、表面の刻印文字は大きさが異なります。 距離は0.45m〜∞でこれも同じです。
一方で絞りリングは無く、マウントはYCではなくレックスと同じです。単純にひっくり返して背比べすると、マウント部分までの背丈やヘリ コイドの繰り出し量もほぼ同じです。つまり外観から見るだけでは、ヤシコン のP50/1.4にレックスのマウントを付けたものように見えます。
実際に試してみるとコンタレックスSEにも装着できるようですのでレックスマウントであるのは間違いないと思います。ただしこのAE連動機構は爪の位置と形状が異なるために、絞りダイアルには連動しません。オス型なのでむしろRTSのものに似ているように見えます。

そこで次にContarexレンズの代表であるPlanar 55/1.4と比べてみます。


Contarex用P55(左)とSL75用P50(右)のマウント面


外周のクロームメッキのマウントパッド部分はほぼ同じと見て良さそうですが、内側に黒く塗られたAE連動部分については異なります。ともに赤いポイントを上にすると、右のレンズではフラットなリングにネジ止めされた爪が14時の位置に突きだしていますが、左のレンズでは例の方持ち支持のリング状の板羽根が浮き上がっていて、10時の位置に四角い穴が空いています。このピンの位置と形状が異なるため、Contarexにマウントはできるが連動はしません。


なお前掲のKucの本にもやはりS135と思われるレンズが出てきますが、このP50と同様にYCの鏡筒とレックスのマウントをあわせたようなデザインになっているという共通点があります。
ヤシコンだけでなくひとつQBMとの関係というのも考慮しなければなりませんが、これらの点からこのWeber用のレンズがヤシコンとイコンの流れを結ぶ線上にあるということは推測できます。

ひとつのレンズから当時の全てを類推することは容易ではないかもしれません。しかしいまのやや混沌としたカメラ界を考えるに、70年当時のやはり混沌としたカメラ界というものに思いを馳せるのは興味深いことではないでしょうか。
posted by ささき at 20:00| Comment(2) | TrackBack(0) | __→ Planar T* 50/1.4 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする